【Expanding story ~まるがめの市民活動~】子どもたちの“やりたい”を叶える。「hanamarufilm」
| まちのヒト・コト
マルタスでは、市民活動登録を行う皆さんに、活動に対する思いやこれからのことなどをインタビューしています。
皆さんが行う「市民活動」とは何なのか?活動に対する「思い」とは?
それぞれの活動のスタート、これまで、そしてこれからをお伺いしています。
ぜひ皆さんの活動や思い、踏み出した一歩をご覧ください。
今回は、hanamarufilmの丸岡さんにお話しを聞きました。

カメラに魅せられて
活動を始めたきっかけを教えてください。
もともと看護師として働いたのですが、あるイベントで一眼レフカメラを使って撮影する機会がありました。スマホでは撮れない写真がいっぱい撮れて、「こんなにも表現ができるんだ」と知り、カメラに没頭しました。そこから写真を撮ることがすごく楽しいってなって、「カメラマンってどうなんだろう?」と興味を持ち、自分の人生を考えたときに、看護師にはいつでも戻れる安心感もあったので、仕事を辞めてフリーのカメラマンになることを決めました。

マルタスで市民活動登録をされた理由を教えてください。
丸亀市の市民として、公共の場で、いろんな人にできることはないだろうかなと思っていた時に、マルタスを知り、「ここなら、そのきっかけをくれるんじゃないだろうか」と思い登録をしました。登録して、「いつに何をするのか」みたいな話になり、その後いろんな場所でのイベントを行っていくようになりました。
活動内容を教えてください。
カメラマンとして活動をしていたら、「カメラの撮り方が分からない」などの悩みをよく耳にしました。せっかくイベントをできる場があるなら「そうした悩みをみんなにお伝えできる!」と思い、子育て中のママを対象に子どもをかわいく撮る撮影方法などの写真講座をスタートしました。
活動をしていく中で私が撮影をしていると、子どもたちがカメラを覗きたがっているのを見て、「ちょっとカメラを貸してみたいな」と感じることがありました。子どもたちに写真を撮るだけじゃなくて何か他にできることないだろうかなって考えたときに、子どもたちにカメラを教える『きっずフォトクラブ』という活動も始めました。
また、2023年の12月に『カメラきっず』というイベントもスタートしました。『私の大切なもの』というテーマで、丸亀ビルの中にあるお花屋さんの店舗を撮影場所として貸していただきイベントを開催しました。子どもたちはもうとにかく楽しそうに撮影していて、飼っているハムスターを持ってきた子や家族を撮影した子もいました。
本当にこの撮影が楽しすぎて、将来は写真家になりたいっていう子がいたり、イベントを行った時期がちょうど12月の最初だったので、サンタさんにカメラをお願いした子もいたそうです。子どもたちに何か大きなきっかけを作ることができたんだなと思い、すごく嬉しかったですね。

子どもたちの発表の場をつくる
「カメラきっず」は発表会も行っていましたね。
はい、イベントに参加して完結ではなく、子どもたちが自分の作品を発表する場を作りたいと思ったんです。最初は撮影体験イベントと写真展を予定していたんですが、マルタスのスタッフさんと展示について相談をしていく中で、「せっかくならここで子どもたちの発表をしたらどうですか?」とアイデアを出してくださり、せっかく展示するなら、確かに発表をしてもらおうと思い発表会を開催することになりました。
その発表会がめちゃくちゃ良くて、保護者の方から、「学校以外の人前で発表することがない中、子どもたちにとっては大きな自信になりました」、「とても貴重な経験させてもらいました」という声をたくさんいただき、本当にありがたかったです。

また、学生にとって地域での体験学習がこれから大事だよねみたいな記事を見て、地域社会や現場でバリバリやっている人たちとつながる機会をつくり、一緒に地域を巻き込んで面白くできないかなっていうのを考えていました。そこで写真部の高校生を『カメラきっず』に呼んだらどうだろうと思いました。高校には何も繋がりがなかったので、直接校長先生にお手紙を書いて、OKをいただくことができました。
その後、高校に行って、生徒さんたちの前で「ぜひみんなと一緒にイベントを作りたい」とお話しして、イベントに参加していただくことになり、当日、高校生たちも顧問の先生を撮影して、ワーキャー言いながら、めちゃくちゃ楽しそうでした。顧問の先生も18年指導しているそうなんですが、「こんな風に外部からお誘いを受けたのは初めてです」と言っていただき、私たちにとってもとても貴重な経験になりました。

活動をする上で心がけていることはありますか?
「考える力」、「自己表現する楽しさ」、「やり抜く力」ということを大切に活動しています。『きっずフォトクラブ』ではただ良い写真を撮るのが目的ではなく、一生懸命撮って、どうやったら撮れるかなと自分で考える力や自分がこう撮りたいからこう撮ったっていう自分の世界を表現する力、何度も何度もブレたりズレたりしてもやり抜く力を育んでいくことを心がけています。それをやっていたら子どもたちは自分の満足いく素敵な写真を最終的に撮れるようになっていくんですよね。
今は時代の変化がめちゃくちゃ早いじゃないですか。そんな中で、自分たちで正解のないところを開拓していかないといけないことだっていっぱいあるだろうし、子どもたちにとって自分たちの力で考えていく力だって絶対必要になってくることがあると思います。そんな困難が訪れたときに、「あの時にできたのだから大丈夫」という自信をつけていきたいなと思っています。だからこそ、『カメラきっず』とか『きっずフォトクラブ』の目的の3つは絶対大事にしないといけないなと思っています。

新しいつながり
活動をする中で、新しいつながりはありましたか?
マルタスで写真展を開催していたときに、同じく市民活動を登録している福祉worksMANMAREの丸畑さんが見てくださいました。
丸畑さんから「どんな風にこれだけの写真を集めたの?」とメッセージをいただいたことをきっかけに、丸畑さんとつながり、丸畑さんのイベントに参加しました。
丸畑さんは福祉の分野で、私は子どもたちに写真を通じた体験を届けるという立場ですが、目的や思いはとても似ていて、違う分野ながらも共感できる部分が多く、すごく刺激を受けました。
市民活動者さん200団体以上、マルタスに登録されているのでいろいろなつながり方ができるんですよね。それぞれが得意な分野があって、みんなすごいじゃないですか。活動者さん同士、コラボしたり協力したりしていたら丸亀市ってより良くなるのかなと思います。
これからの活動について
『カメラきっず』を県外、全国にもどんどん広げていきたいなっていうのがあります。あとは『きっずフォトクラブ』が『カメラきっず』と違い、展示を行っていないので、何かできないかなって思っています。
また、まるがめこども新聞を作りたいなということも考えています。子どもたちが自分たちで企画、取材、インタビュー、最終的には新聞にしようと今考えているところです。具体的には今年の10月ぐらいの発行を目指して進行中です。
他にも高校生と一緒に活動していく中で、高校の写真部の先生もやりたいなとも思っています。一緒に撮りに行ったり、撮り方を教えたり、もっと地域社会に根付いた活動をしていきたいですね。

これから市民活動を始める人に向けて、メッセージをお願いします。
マルタスの市民活動登録は市外の方でもできると聞いたので、誰でもできるんですよ。なので、まずは登録してみたらいいかなって思っています。ここの場を借りて、イベント情報の発信もしてくれて、やらない理由はないかなって思っているので、とりあえず登録してみることをオススメします。そこから自分はこういうことができるけど、どうやったらいいか分からないということもあると思いますが、そんなときはマルタスのスタッフさんが相談に乗ってくれます。私も実際に相談したことでアイデアが広がりました。もう最高じゃないですか。私もね、もうワクワクしましたよ、あの後。そういう相談もできるから、本当に活用してほしいですね。
また、登録書類も書かないといけないことがめちゃくちゃあるし、書き方もよく分からないので大変だと思います。でも、最初は締め切りが無く、書き方からマルタスのスタッフさんが教えてくれるので、少しずつ聞きながら文章を完成させるでもいいかなって思います。焦らなくてもできる時に相談に来て、書いて、そうこうしていたら自分のやりたいことが必然的に見つかっていくような気がするんですよね。ここで活動していくイメージというか、こんなことやれるんだみたいな。だから一歩踏み出せなかったとしても、マルタスに来てみてください。
