【With Community】ほかの人のために、できることを少しでも~岡田コミュニティ
| まちのヒト・コト
マルタスでは、住民が力を合わせて地域をより良くするために活動している丸亀市内の各コミュニティを取材しています。
丸亀市には、概ね小学校区を単位とした17の地域コミュニティが形成されています。
コミュニティは、地域にある自治会や老人会、民生児童委員会、PTAをはじめとする各種団体などにより構成されています。それぞれのコミュニティでは、地域の活動計画となる「まちづくり計画」を策定し、広報誌の発行、コミュニティまつり、環境美化、防災訓練、子育て支援などの事業を行い、地域の課題解決と、特色のあるまちづくりに取り組んでいます。

今回は、岡田コミュニティについて紹介します。
岡田地区は香川県のほぼ中央に位置し、地形は南に高く、北に緩やかに傾斜した台地状になっており、丸亀平野に接しています。綾歌三山のうち、城山・猫山のふもとにあり、豊かな自然があふれる田園風景が美しいまちです。
平成22年には国道32号、平成27年には国道438号岡田バイパスが供用を開始、また私鉄「ことでん」が走り、高松市などにも比較的短時間で移動できる環境にあります。
人口は、3970人(令和6年4月1日現在)、82の自治会で構成されています。岡田コミュニティは、『住み続けたいまちおかだ』を基本理念に掲げ、令和3年度、「第3期まちづくり計画」を策定しました。
組織は、7つの部会(文化・広報部、地域福祉部、生活環境部、生活安全部、健康増進部、地域交流部、こども未来部)で成り立ち、下記の5つの目標のもと、事業計画が立てられました。
① 心豊かな子どもが育つまち ② 安心して暮らせるまち ③ 活力みなぎるまち ④ 健康に暮らせるまち ⑤ みんなでつくるまち
『できるときに できることを』を合言葉に、学校支援、緑化、安全パトロール、移動サービスなど、コミュニティ活動に参加する方を募集し、『持続可能な地域』をめざしてまちづくりに取り組んでいます。

地域の活動拠点 岡田コミュニティセンター
岡田地区の強みは、住民の方がボランティア活動にとても協力的なところ。高齢化が進む中でも、皆さん積極的にコミュニティのイベントに参加されているそうです。そんな岡田コミュニティの中心になっているのが、岡田コミュニティセンターです。

岡田コミュニティセンターは、岡田小学校の南側、国道32号線沿いにあり、ことでん岡田駅から徒歩約7分の位置にあります。
現在の建物は、平成18年9月に完成し、市内17か所あるセンターの中でも一番面積が広いという特徴です。地域の活動拠点である一方、会議や研修会、生涯学習にも利用可能な施設で、災害時には避難所にも指定されています。
年間約22,000人が利用しており、様々なイベントはもちろん、学校帰りの小学生たちが気軽に寄っていくような、そんな地域の拠点となっています。
館内に入るとまず出迎えてくれるのが、月ごとに変わる入口のディスプレイです。センタースタッフが作るこのディスプレイは、4月は桜並木、5月は端午の節句など、季節感のある華やかな装飾で、訪れる人を楽しませています。

ホールを少し進むと、大きな岡田地区のジオラマがあります。山の緑や丸亀平野など、自然豊かなまちを表現し、岡田地区のスポットなどが細かく記載される手作りのジオラマです。
コミュニティセンターの情報は、年4回発行されるコミュニティ便り、ホームページやLINE、FacebookなどのSNSでも発信され、いろいろな情報がどなたでも受け取りやすいように工夫されています。
コミュニティの未来を考える「こども未来部」
岡田コミュニティにある7つの部会の中で、一番力を入れているのが「こども未来部」。丸亀市にコミュニティスクール制度(学校と地域住民等が力を合わせて学校の運営に取り組むことが可能になる仕組み)が制定されたのを機会に作られた部会です。小学校低学年の子どもたちが生活科の授業で町探検に行くときに地域の人が町の紹介をしたり、子どもたちが野菜作りをするときに農家の方が野菜の畑づくりを教えたりしています。また、家庭科の授業でミシンの実習をするときに先生一人では大変なので、お手伝いの方が授業に入ってスムーズに作業ができるように協力しています。
こども未来部の活動は、こども未来部の委員が行っている場合もあれば、委員がコーディネーター役となって地域の人につないで活動を行っている場合もあります。保育園で山登りを行ったときは、綾歌三山愛好会というグループの方々に協力を仰ぎ、保育園児と一緒に山登りを行いました。
岡田を盛り上げる多彩なイベント
岡田コミュニティでは、コミュニティセンターが中心になってさまざまなイベントを開催しています。
岡田久次郎まつり

岡田久次郎翁は、水不足に苦しむ岡田の住民を救うため、亀越池を築き、岡田村まで水を引いて来てくれた水の恩人です。 そんな久次郎翁に感謝を込めたお祭りが「岡田久次郎まつり」です。ライブやバザー、ビンゴ大会などが行われ、地域の皆さん、子どもたちの笑顔の輪が広がります。
岡田Kira2夏まつり

毎年夏に行われている、岡田コミュニティの夏まつりです。盆踊りの音楽や太鼓の音で賑わい、会場は浴衣を着たたくさんの子どもたちで盛り上がっています。お店や縁日などの催し物は、ボランティアの方々の協力で作られています。
夏のイルミネーション

毎年、夏まつりの時期に岡田小学校の隣の広場で開催されているのが、岡田コミュニティの名物であるイルミネーション。新型コロナウイルスが流行しイベントが自粛される中で、地域
の方の「子どもたちのために何かしてあげたい」という気持ちのもと始まりました。イルミネーションはボランティアの手で一つ一つ丁寧に取り付けられ、夜の岡田を明るく照らしています。
岡田コミュニティのこれから
高齢化が進み、ボランティア活動に携わっていただける方が徐々に減っている中でも、ボランティア活動を維持していくことが岡田コミュニティの今後の目標です。若い人のアイデアも取り入れつつ、「できるときにできることを、ちょっとでいいからほかの人のためにできることをしませんか」と呼び掛けながら、活気のある地域を作っていきます。

次回は、岡田コミュニティで活動する人物について紹介します。