レポート

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【Challenge for ESG】社内外のリソースを活用した社会貢献活動により、街を好きになってもらう。「四国化成ホールディングス株式会社」

 マルタスでは、丸亀市で地域活性化を考える企業や地域貢献を行う会社などを取材しています。

 今回は、創業77年、多岐にわたる事業を展開し、地域社会への貢献を行うことで丸亀市のよりよい未来を目指す「四国化成ホールディングス株式会社」についてご紹介します。

 四国化成ホールディングス株式会社の今までの地域貢献活動について、経営企画室広報課・総務人事部総務課の皆様にお話を伺いました。



四国化成ホールディングス株式会社の成り立ちについて教えてください。


 当社は、第二次世界大戦後間もない1947年、化学繊維レーヨンの原料である二硫化炭素の画期的な製法を発明したことを基に設立されました。
 1970年には化学の知見を生かした塗り壁材「ジュラックス」を開発し、建材事業にも進出。マルタスの自転車置き場やゴミの集積所「ゴミストッカー」も当社の商品です。現在は「化学」と「建材」の二つの事業を柱としながら幅広い事業を展開し、企業理念「独創力」のもと、他にはないユニークな商品を世に送り出しています。



地域貢献活動に取り組むことになった経緯を教えてください。


 当社では、長期ビジョン「Challenge1000」を2020年から実行しています。お客様、従業員、株主、それに地域社会を加え貢献していく「四方よし」という活動方針を定め、地域貢献活動により一層注力するようになりました。経常利益の1%を上限に地域貢献活動に使用するということを会社の中でルールとして決めているので、年間を通して今どのようなことが必要で、求められているかを精査して進めています。
 金銭的な支援だけでなく、ボランティア活動も積極的に行っています。
 総務課では『ひろえば街が好きになる運動』のメンバーを集めたり、広報課で毎年2月に丸亀市を舞台に開催されるハーフマラソンの国際大会「香川丸亀国際ハーフマラソン」や瀬戸内国際芸術祭でのボランティアに参加したりしています。


『ひろえば街が好きになる運動』への取り組みについて詳しく教えてください。


 活動の周知に関しては、総務課で社内イントラネットにお知らせとして掲載して、参加者が集まるよう情報を発信しています。社内のさまざまな部署からの参加があり、部署間のコミュニケーションにもつながっています。



実際に活動に参加してみて感じたことはありますか?


 私は坂出市に住んでおり、坂出市から丸亀市に車で通っているのですが、街が汚れていると感じたことはなく、参加する前は「拾うゴミがあるのかな?」と思っていました。しかし、実際参加してみるとたばこの吸いがらなどのごみが多く見つかり、自分の足で街を歩いてみないと分からないことがあるなと気づきました。
 また、今まで気づかなかった街の魅力や風景などに気付くきっかけになったなと感じました。マルタスの近くですと、市民ひろばのあたりに銅像があったり、花が植えられているところに「ボランティアの方が植えています」ということを書いてあったり、そういったところで改めて丸亀市の魅力に気づけるきっかけになったと思いました。



 社内に呼びかけて行う清掃活動は『ひろえば街が好きになる運動』のみなのですが、春・秋の時期に月に一回程度、社屋前のさぬき浜街道沿いのゴミ拾いをしております。こちらは当社独自で行っていることで、社内で呼びかけて有志で行っております。



他に取り組まれている社会貢献事業について教えてください。


 香川丸亀国際ハーフマラソンは2023年度大会から特別協賛というかたちで協力しています。
 今では協賛だけはなく、当社の従業員やその家族、計200名以上がランナーとして当社のオリジナルユニフォームを着て参加しており、街の賑わい創出の貢献に努めています。



 大会当日は、コース上に2カ所の給食所を当社独自に設置しています。当社グループのシコク・フーズ商事株式会社が、取引先と連携し丸亀にこだわった食品や地元事業者の商品を提供することで地域貢献につながればと取り組んでいます。
 今年は県内外の事業所で働く約70人の社員がボランティアとして参加し、丸亀市の魅力を再認識するいい機会となりました。



 その他、香川県内のいくつかの企業で連携し、「大集合!!ワクワク体験Kids王国in丸亀」というイベントを丸亀市立資料館前広場で開催し、子どもたちにお仕事体験を提供しています。地元の企業についてや、その企業の生み出す製品について知ってもらい、地元の丸亀市で働く魅力を伝えることを目指しています。



 当社はR&Dセンターという研究施設で化学品の研究開発を行っており、その研究者たちがボランティアで講師となり子どもたちに化学の楽しさを伝える体験教室をマルタスで開催しました。普段は専門用語を使ってお客様とやり取りしている社員が多いのですが、小学生も理解できるような言葉に変換し、体験プログラムを作成しました。普段の理科の授業が化学品メーカーの仕事につながっていることなどを知り、将来について考えるきっかけになっていれば幸いです。



丸亀市の魅力的なところを皆さんの目線で教えてください。


 丸亀市は香川県内では高松市に次いで人口が多く、様々な施設が揃っています。さらに、海が近く、水と陸地の調和が美しいと感じました。お城もあり、人々が憩える場所がたくさんあるのが魅力的ですね。商店街には空き店舗の課題もありますが、若い世代の方が新しくお店を始めているところが少しずつ増えている印象です。特に週末のマルタス周辺にはどんどん人が集まっており、そこを起点に出かけるという流れが生まれているのが、街としてとても良いなと思います。私はその風景が丸亀市の第一印象だったので、この地域で働いてみたいなという思いが芽生えました。



最後に、今後はどのような形で社会や地域に関わっていきたいと考えていますか。


 まずは『ひろえば街が好きになる』運動をもっと社内に広めていきたいと考えています。今は参加人数が少し寂しいなと思うところがありますので、社内の参加者をどんどん募り、この活動を通じて丸亀市の魅力をもっと知ってほしいなと思います。
 最終的には、私たちの社会活動を通じて丸亀という街を全国に発信できる存在になりたいです。今後、当社を通じて丸亀市を知り、「遊びに行ってみよう」、さらには「働いてみよう」、「移住してみよう」、と外から興味をもってくれる部分があるのではないかと考えています。そういった存在になれるよう丸亀市とともに成長していきたいです。