【Challenge for ESG】企業と地域がつながり、未来を見て一緒に何かを作り上げる。「四国家サポーターズクラブ」
| まちのヒト・コト
マルタスでは、丸亀市で地域活性化を考える企業や地域貢献を行う会社などを取材しています。
「四国家サポーターズクラブ」は、全国に先駆けて人口減少や少子高齢化が進み、地域経済の縮小や衰退という課題に直面する四国地域に対し、四国の地域振興・観光振興に志を持つ企業や団体等が集い、みんなで協働して賑わいを創出することで、四国地域の活性化に取り組みたいという想いから、2021年3月に設立されました。
今回は、四国家サポーターズクラブ、四国旅客鉄道株式会社の難波さんにお話を伺いました。

四国家サポーターズクラブの成り立ちについて教えてください。
全国で人口減少・少子高齢化が問題になっていると思うのですが、実は四国の人口減少は全国と比べて特に進んでいます。
そのなかで、インフラ企業である弊社と、四国に強いネットワークをもつ複数の企業により地域活性化に向けて何かできないかという思いで、連携事業が始まりました。
最初は愛媛県と高知県を結ぶ予土線を中心に賑わいづくりを行っていたのですが、より多くの事業者を巻き込み、活動を広げるために『四国家サポーターズクラブ』を発足しました。今では多くの企業に参加いただき約120社に登録いただいています。
すごい数ですね。どのように登録を広げられたのですか?
最初は弊社からお声がけさせていただき、登録者を募りました。だんだんと活動をする上で話題になり、今では少しずつ相手先から登録をいただけるまで認知が増えました。登録されている企業も半分以上が香川県の企業です。

登録されている事業者はどんな方がいらっしゃるのですか?
もちろん企業もあるのですが、NPO法人など様々な形態の事業者に参加いただいています。何かしらの繋がりができることを期待して登録されている方が多いのではと感じています。
登録自体、会費もありませんので、緩く繋がれる場になれればと思っています。
丸亀市ではどのような活動をされてきたのですか?
丸亀市では、ご縁があり『丸亀にぎわいプロジェクト』を丸亀市と一緒に行うことになりました。プロジェクトが始まった時期が郵便事業150周年ということもあり、参加いただいた事業者のノウハウをもとに、丸亀駅前にあるポストを漆喰風に塗ることで話題づくりを行いました。
丸亀市の取組であるキッズウィークにも関わる機会をいただきました。子どもたちが丸亀市にある事業者の仕事体験ができる『ワクワク体験キッズ王国』を毎年開催させていただき、今年度で3回目の開催になりました。


最近ですと、高校生主体の『丸亀大文化祭』にも携われていたとお聞きしたのですが、どのようなことを行ったのですか?
サポーターズクラブの活動の中で、高校生が考えたことを大人が真剣に聞く場を作りたいと思い、市内の高校生たちに、「丸亀を行きたい場所にするにはどんなプランがある?」というテーマで考えを募集しました。市長やこのプロジェクトの管理者の方に集まっていただきプランコンテストを実施し、最優秀を取ったチームが提言したのが「丸亀大文化祭」でした。
当初は、出たプランを実現するところまでは難しいと思っていたので、高校生の意見を参考にできたらというイメージだったのですが、高校生の発表を聞いてみると、「もっと地域の皆さんといろいろなことがしたい」「地域の大人と関わることがしたい」という思いに感銘を受けました。そして、実現のために何かの一助をしたいと考え、私たちは学生たちができない資金調達として丸亀市や商工会議所、幹事会社など多数の関係者と調整を行いました。
『丸亀大文化祭』をサポートする上で、課題はありましたか?
高校生との関わり方にノウハウはなかったので、マルタスをはじめコーディネートできる方に間に入っていただきました。高校生を主体としたイベントにするため、我々はあくまでサポート役に徹しました。
また、資金調達をする上での関係性作りについてです。
丸亀市には、社会貢献したいという思いを持つ企業はたくさんあります。しかし、「にぎわいプロジェクト」は大企業だけが集まって行うと思われていたところがあり、見えない壁のようなものがあるように感じていました。そこで、商工会議所や観光協会などの皆さんと様々な形でお会いしました。たくさんお話をすることで打ち解けることができ、実は「丸亀のために」という同じ思いを持って活動しているのだとお互いに気付くことができました。そこからはいろいろなことが鮮明になり、丸亀文化祭についての資金調達も進めることができました。

実際に活動してきて丸亀市の魅力はなんだと思いますか?
丸亀市は本当に顔の見えるコミュニティだと感じています。誰かしらがどこかで繋がっていて、知り合いの知り合いであるようなことが常に発生しているような感じがします。
丸亀には、公私含め5校の高校があるのですが『丸亀大文化祭』の開催においても、その顔が見えるコミュニティというのが、ちょうどいいサイズ感だと思いました。多すぎず、少なすぎないことで自ずとキーマンが見えやすく、一つの活動に向かっていきやすいのですね。

最後に、四国家サポータークラブとして、今後の活動はどのようなことを考えていますか?
実は香川県を離れ、別の四国地域でチャレンジしようと思っています。
すごく寂しいのですが、今回取り組んだ内容を地元の事業者に引き継いでもらえる仕組みにしたいと考えています。利益を生むような形ではありませんが、未来を見据えて地域の皆様と一緒に何かを作り上げていくことが持続していくことを願っています。