日本画アーティストと絵を描こう!2021.10.10(日)
10月10日(日)、「日本画アーティストと絵を描こう!」が開催されました。
このイベントは、10月9日(土)から31日(日)まで開催された「日本画展―HOTサンダルプロジェクト-」の関連イベントとして開催され、講師は、HOTサンダルプロジェクトに参加したことがきっかけで丸亀市広島に移住した日本画家、斉藤茉莉さんと田嶋里菜さんが務めました。
「日本画」とは、日本の伝統的な様式を汲んだ絵画のことです。多くは岩絵具(いわえのぐ)や和紙など、素材から由来した技法が用いられて制作されています。今回のイベントでは、さまざまな素材について学びながら実際に絵を描いていきました。
まずは、絵の具について学びます。
人間は昔から、自然の中にある石や土、動物、虫、植物などから絵の具を作ってきました。日本画で使う絵の具も、そのままの形で使い続けてきたものが多くあり、最近では、希少な材料で作られているものを人工的に作ることもあるそうです。
天然岩絵具は、鉱石を砕いて作られた粒子状の絵の具で、粒子の粗さにより1番から13番の番号で表し、番号が小さいほど粒が大きく、番号が大きいほど粒が小さくなります。その中で最も細かいものを「白(びゃく)」と言います。大きい粒ほど色が濃く、キラキラとするそうです。
次に、岩絵具とチューブに入った絵の具の違いについて学びます。
よく売られているチューブに入った絵の具は、色の素と紙を貼り付ける役割をする接着剤(油やゴム)が混ざった状態でチューブに入れられているので、そのまま紙に描くことができます。しかし、日本画の場合は、色の素と接着材が別々になっているので、絵を描く人が自分で混ぜて絵を描ける状態にします。そこで使われるのが、「膠(にかわ)」という接着剤です。岩絵具を出した絵皿に、全体にいきわたるように膠を垂らし、粒を膠でコーティングするように指で丁寧に混ぜていきます。油絵や水彩では、色を混ぜて使いたい色を作りますが、岩絵具は粒状なので、絵の具同士が混ざりません。先に塗った絵の具が乾いたら、次の色を上から塗って重ねていくことで、絵に深みを出していくそうです。
道具について学んだあとは、実際に紙に描きます。今回用意されたのは、「麻紙ボード」と呼ばれる和紙を木の板に張り込んだもの。「和紙は破れやすいので、鉛筆で優しく下書きしてください」と講師から説明があり、参加者は、それぞれ考えてきた思い思いの絵を形にしていきます。実際に絵具を使うときには、岩絵具に膠をとく割合や道具の使い方について2人がアドバイスしながら進めていきました。
参加者した皆さん、手を止めず、どんどん筆を進めていきます。約2時間という長い時間でしたが、集中力を切らさず、自分の作品と向かい合いながら日本画について理解を深めました。
講師の2人は、「参加した皆さんがとても集中して描いていた様子が印象的でした。なかなか日本画に触れる機会は少ないと思うので、これを機に作品を見てもらったり、アートに触れていただけたりしたら嬉しい」と話しました。
【編集部より】日本画に使う素材を学び、触れ、実際に描くことで奥深さを学ぶことができました。これをきっかけに、アートはもちろん、丸亀の島などにも興味を持ってもらえたのではないでしょうか。講師の2人には、レポート「まちのヒト・コト」でもインタビューを行っています。そちらも合わせてご覧ください。
【マルタスHP・まちのヒト・コト】レポートページ(新しいウインドウが開きます)