レポート

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つながるアート with 画家 山口一郎 2021.11.27(土)・28日(日)

11月27日(土)・28日(日)の2日間、香川県在住の画家 山口一郎さんと子どもたちが一緒にアートを作るイベント「つながるアートwith山口一郎」が開催されました。
同イベントは、子どもたちに一流アーティストの制作活動を間近で見てもらうことで、小さいうちからアートへの関心を持ってもらうことを目的にしています。

27日(土)には、「つながるアートwith画家 山口一郎~一緒に壁に絵を描こう~」と題し、山口さんと一緒に5歳から小学2年生の子どもたちがキッズスペース内の壁に絵を描きました。
絵が描かれる約2.8m壁面には、家の形をかたどった「プレイハウス」と呼ばれるスペースがあります。山口さんはそのスペースを見て、「この家に景色があればいいな」と感じ、丸亀市の市木に選定されている「ヤマモモの木」を描くこととしました。



山口さんが描いた木の幹と枝の周りに、子どもたちは、葉っぱの形に切り抜かれた紙を貼り付けていきます。高い所は、山口さんやマルタスのスタッフが補助し、たくさんの葉っぱが子どもたちによって貼り付けられていきました。
葉っぱをすべて貼り付けた後は、子どもたちは配布された紙パレットを持ち、山口さんの前に並びます。山口さんは、そのパレットにいろいろな種類の緑色のアクリル絵の具を出していきました。





山口さんが1つの葉っぱを塗り、見本を示したあとは、子どもたちは切り抜かれた部分を思い思いに塗っていきます。真剣な表情で筆を握る子どもたちを山口さんは優しい表情で見守っていました。
濃緑や深緑、黄緑色…たくさんの葉っぱが子どもたちによって彩られ、白い壁が一気に楽しいものとなりました。





子どもたちの作業はこれで終了です。
その後、山口さんによるライブペインティングが行われました。
子どもたちの手が届かない場所の葉っぱやヤマモモの実を足していき、子どもたちと一緒に描いた作品が完成に近づいていきます。キッズスペースには、元気に遊ぶ子供たちの傍ら、山口さんの制作を見ようと集まった方たちが、真剣な表情で出来上がる作品を見つめていました。約3時間後、子どもたちと山口さんによる大きなヤマモモの木が完成しました。




また、28日(日)には、「つながるアートwith山口一郎~一緒にキャンバスに物語を作ろう~」が開催されました。こちらのイベントでは、小学1年生から高校3年生を対象に、山口さんとお話しながら子どもたちが4枚のキャンバスを彩りました。



山口さんは、「丸亀らしい風景を描きたい」と、空を飛ぶカモメを子どもたちと描くことに。大きく羽を広げて空を飛ぶカモメをかたどり、切り抜かれた紙をキャンバスに貼り、その中を子どもたちがいろいろな青色のアクリル絵の具で塗っていきます。
山口さんは、「風が流れるようなイメージで筆を動かしてみて」と子どもたちに声を掛けます。子どもたちは真剣な表情でキャンバスに向かい、ひと塗りずつ丁寧に筆を動かしていました。




山口さんは、2日目のワークショップの後、「子どもたちと一緒に作品を作るということで、あまり複雑なことはしたくないなと思いました。でも、そんな中で、完成した時にはまとまりがでるように意識しました。完成したカモメは18羽。今回参加してくれた子どもたちが17人、そして僕で18人。本当に偶然ですが、少し奇跡を感じましたね」と話しました。

参加したお子さんの保護者の方からは、「素敵な絵ができて感動した。子どもにとっていい経験になった」などと感想が聞かれました。




【編集部より】子どもたちが楽しそうに絵の具を塗る姿を優しく見つめる山口さんの姿がとても印象的でした。今回参加した子どもたちは、マルタスに来るたびにこの日のことを思い出し、参加していない子もマルタスに現れたアートに、何かを感じてくれるのではないでしょうか。キャンバスに描かれた絵は、1月8日からおやこラウンジに展示します。ぜひ、ご覧ください。