Contrast コントラスト 2021.4.25(日)~5.8(土)
| イベントレポート
丸亀市在住のアーティスト、ハシモトヒロコさんによる作品展「Contrast コントラスト」が、4月25日から5月8日までマルタス1階で開催されました。
ハシモトさんは、丸亀市民なら誰もが一度は見たことがあるキャラクター、「とり奉行骨付じゅうじゅう」の生みの親。約7年前、ご主人の実家がある丸亀市に移住され、現在はフリーのイラストレーターとして活動されています。
今回の展示は、赤と青を基調とした繊細な水彩画。テーマであるContrastには、「対照的な赤と青。全く違った性質を持つこの2色ですが、対極だからこそ互いを引き立て合い、それぞれがより鮮やかに見える。違うからこそいい。2つの色のコントラストを楽しんでほしい」という思いが込められ、今回のために描き下ろされた10枚の原画が展示されました。
女性の横顔や植物などのモチーフに描かれる、赤と青。期間中は、その美しさに多くの方が足を止め、ハシモトさんの世界観を楽しんでいました。
ハシモトさんに今回の展示や丸亀での生活、じゅうじゅうに込められた思いなどを聞きました。
関西から丸亀へ
愛媛県出身のハシモトさん。大学への進学を機に、関西での生活をスタートさせました。大学卒業後は、WEBやデザインなどの仕事などを経験し、結婚・出産を経て、約7年前、下のお子さんが小学校に上がるタイミングで丸亀市へ移り住んだそうです。
「関西に住んでいた時も、里帰りなどでよく香川には来ていましたが、住んでみて新たな発見がたくさんありました。今もおもしろいスポットを探したりするのが楽しいですね」
そんなハシモトさんは、まだ関西に住んでいた2012年、丸亀市のマスコットキャラクター「とり奉行骨付じゅうじゅう」を誕生させます。
「とり奉行骨付じゅうじゅう」の誕生
ハシモトさんは、いろいろなコンテストやコンペに挑戦している時期があったそうで、そこで出会ったのが、ご主人の出身地である丸亀市の骨付き鳥を応援するキャラクターの募集。縁がある地域ということもあり、「チャレンジするしかない!」と一念発起。名所である丸亀城などからイメージを広げ、出来上がったのが「とり奉行骨付きじゅうじゅう」。
「実はそのとき、私は骨付き鳥を食べたことがなかったんですよ(笑)主人に骨付き鳥の味や見た目、作り方を聞き、『丸亀城があるからお殿様かなー、でも鍋奉行っていう言葉もあるし、名人みたいなお奉行さんもいいよね』なんて夫婦で話ながら、楽しみながらできた偶然の産物なんです。今ではたくさんの人に見てもらえて、もっとじゅうじゅうのアピールをしていきたいなと思っています」
また、ハシモトさんは2019年に丸亀市移動図書館バス「かめまる号」のラッピングイラストを担当するなど、活躍の場を広げています。
丸亀とイラスト
丸亀に移住後は、綾歌町にあるインテリアショップ CONNECT(コネクト)で働いていたことがあるそうです。CONNECTさんには香川県在住の画家 山口一郎さんの絵の販売などもしており、ハシモトさんは、それらの作品にもたくさんの影響を受けたと話します。そして、今回の展示である「Contrast コントラスト」。実は、ハシモトさんがテーマを決めて作品を発表することは初めてだったそうです。
「CONNECTさんで働いていたとき、山口さんの絵を撮影させてもらったりしていました。山口さんの自由で力強い絵を見ているうちに、『私も描きたい。描かなければ。』と思うようになりました。子どもたちも成長し、少し時間もとれるようになったので、昨年から本腰を入れてイラストレーターとしての活動を始めました。なかなかアピールのできる場を作れなかったので、この機会は良かったです。また、対照的な赤と青をテーマにしましたが、この展示スペースにもマッチしていて嬉しかったですね」
現在は主に水彩画を描くハシモトさんは、テレビに出ている女優さんや色彩豊かで個性あふれるファッション誌からインスピレーションを受けることもあるそうです。また、丸亀市内だと讃岐富士のダブルダイヤモンド(飯野山の山頂から登る太陽が宮池の水面に映り、2つのダイヤモンドのようにきらめく風景)に感動し、描いた絵もあるそうです。
「丸亀市のMIMOCA 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館には、定期的に行って刺激を受けています。色の使い方を考えながら見たりして、私にとってパワースポットです。芸術に触れていると、私だけが描ける何かを見つけていきたいと思いますね」
マルタスとハシモトさんの挑戦
「今まで何もなくても来れる場所ってあまりなかったので、マルタスができて良かったですね。これからも続いて行ってほしいです。また、子どもたちや若い人などのアートなども見てみたいなと思います。私は次の機会もオリジナルの絵を描きたいですし、丸亀の名所とじゅうじゅうの絵などもおもしろいかなと思います。イラストのワークショップもしてみたいですし、じゅうじゅうをもっとアピールしていきたいので、絵本や紙芝居も作りたいなと思っています。チャレンジしたいことがたくさんあるので、マルタスでいろいろな人と繋がりたいですし、さまざまなことを教えてほしいと思います」
【編集部より】作品と同じように温かなで、とても前向きなハシモトさん。今後への熱い思いに胸が打たれました。ハシモトさんの今後の活躍に期待です。
ハシモトヒロコさんの作品をこちらでみることができます。
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