レポート

Report

【Expanding story ~まるがめの市民活動~】市民と近い距離で活動を行う。「終活ノオト・きむらなみ」

マルタスでは、市民活動登録を行う皆さんに、活動に対する思いやこれからのことなどをインタビューしています。
皆さんが行う「市民活動」とは何なのか?活動に対する「思い」とは?
それぞれの活動のスタート、これまで、そしてこれからをお伺いしています。
ぜひ皆さんの活動や思い、踏み出した一歩をご覧ください。

今回は、「終活」の大切さについて伝える『終活ノオト・きむらなみ』の、木村さんにインタビューを行いました。


終活について話せる当たり前の世の中に

終活について考えるようになったきっかけを教えてください。

自分の実の母親が亡くなったときに、何もできなかったという後悔と、友人が若くして亡くなったことがあります。また、おひとりさまの叔父と叔母がいるのですが、もしものことがあればどういう対応をしていったらいいのだろうと考え「終活」について学びを深めました。そして、知識をつけるほど誰もが知っておいた方がいいと思ったことが活動のきっかけとなりました。

マルタスに登録されたきっかけを教えてください。

「終活」は、縁起でもないと言われ敬遠されることもありますが、そうではありません。
終活は高齢者のことだけではなく、もしかしたら今日、突然事故や災害などで亡くなってしまうこともあるかもしれません。今生きている皆が考えることだと思います。「今生きることに向き合う」活動として何ができるかと思い、マルタスで相談しました。


登録される前に市民活動に興味はありましたか?

全くありませんでした(笑)なかったのですが、自分ができることからやってみようと『ゆるい終活新聞』というものを5年前くらいから書いており、コミュニティセンターに置いていただくということは始めていました。人前に出るのは少し苦手ですが、終活について伝えることをしようと思い、マルタスを使ってそういうことができると聞いたので、それが登録につながったと思います。

マルタスでの最初のイベント内容はどのようなものでしたか?

『もしバナゲームを体験しよう!』というイベントで、余命半年を仮定して「もしものときのこと」を4人で考えるというカードゲームを行いました。初めてのイベントということもあって張り切って友人のところで練習するなど準備段階を踏んでデビューをしましたが、時間はけっこう押しましたね。


イベントを企画する流れはどのような感じですか?

企画は自分がしたいことがメインですが、もしバナゲームなどのイベントを通して、参加者の皆さんからリアルな声が出てくることもあって。イベント後に「実はね…」と話される方が結構いて、こういう自分の本音を出せる場が必要かなと感じたものをピックアップして企画することもあります。

もしバナゲーム以外にも、「ウィッシュリスト」や「キムラの部屋」など様々な内容でイベントをされていますが、どんなことを伝えたいのですか?

「終活」の重要性について伝えたいというのが一番にあります。終活のツールであるエンディングノートは、すぐ書ける人もいれば全く書けない人もいます。自分の中にある思いと向き合える機会も終活だと伝えられてすごく良かったと思います。
あとは、心の孤独や孤立を感じている方が多くいることに気付いて、その部分を「言葉にして出していいよ」と伝えることを重視することも今年度になって増えたと思います。
「ウィッシュリスト(wish list)」は、夢や希望すること、やりたいことを書くことで、明るく前向きな気持ちになります。自分の価値観に気付き、自己肯定感が高まり、毎日がワクワク楽しくなることを目的としています。このイベントでは、マルタスのスタッフの皆さんにも参加していただきました。ありがとうございました!


「きむらの部屋」とネーミングされたのはなぜですか?

もしバナゲーム後に、お話が膨らむことが多かったので、その時間だけを切り取るような場があったらいいなと思い、あのような企画を考えました。イベント名は、企画会議で弾かれると思いながらダメ元で出しましたが(笑)今までは、通りすがりの方にも終活を知ってほしいとの思いがあったのでマルタスのオープンスペースを利用していましたが、初めてROOMを借りて、来た方がこの部屋でご自由におくつろぎくださいというスタイルにしました。これは、私自身のウィッシュリストにもあった内容だったので、イベントとして実現できて嬉しかったです。


木村さん自身がウィシュリストを叶えながら、たくさんの方に影響を与えていますね。

私の中で依頼などがあったら一回はチャレンジしようという思いがあります。と言いながら2024年度は断るものもけっこうありましたが・・・。市民活動と仕事と家庭のバランスが難しいです。ほかの活動者さんともライフワークバランスについてのお話しをすることが多いです。

活動と、つながり、広がり

木村さんが活動されている中で、活動が広がったと思う部分を教えてください。

丸亀市やマルタスに来て、人とつながるとは全く思ってなかったので、自分自身にいろいろなつながりができたことに驚いています。
イベント参加者の中に市民活動者さんが混じっていることもありますし、私もほかの活動者さんのイベントに視察と応援の気持ちで参加しています。その行き来が広がりにつながったと思います。
また、活動をしていく中で自分でも信じられないぐらいいろいろな分野の方から「終活について話してほしい」と依頼されることが増えました。「終活」というと、葬儀屋さんやお寺さんというイメージもあると思いますが、月刊マルータさんからは、「市民活動の中で終活」というキーワードが面白そうと思っていただいたみたいで、お声がけいただき終活イベントにつながりました。市民側にいる活動として興味を持ってもらっているのかなと思っています。
マルタスで活動する中で自分自身の成長と、つながりが広がっていきました。また、他市での地域づくり塾などにも参加しており、自分の中にあった考えと答え合わせをする機会になりました。練習台と言うよくないのですが、やってみたい思いをかたちにできることがマルタスでの活動では可能で、スタッフの方が後押してくれたり、すごくバックアップしてくれたりしたおかげで自信をつけながら活動することができたと思います。


木村さんがほかの活動者さんのイベントに参加されて学んだことなどはありますか?

たくさんの方の企画に参加させてもらっているので、それぞれ学ぶことは多いです。最近で印象的なのは、福祉worksMANMARE(まんまーれ)さんです。イベントの作り方や巻き込み力、計画の練り方など、次々と打ち出すイベントでみんなを笑顔にされて尊敬します。
ですので、市民活動者と繋がる機会になるマルタス主催の交流会など行けるものはすべて行きたいと思っています。
私からすると、マルタスの存在は本当に大きいです。初めて「マルタスってなんだろう」と調べたときに、パンフレットに「#思いを形にする活動支援サービス」という言葉を見かけました。自分の思いがあればやっていいということが私の中ではすごくありがたくて、『私の活動を支援してくれる』ことで、完璧でなくてもいい、やりたい活動ができているのだと思います。何かしたいという思いがあったものの、何もできなくてぐずぐずしていたので、一緒にやってくれることが心強く甘えさせてもらっています。

さらなる活動

今後やりたいことはどんなことですか?

私は、終活が当たり前の世の中になってほしいという目的のもと、日々活動しています。その中で、ゆるい終活新聞やSNSでの発信を行っていますが、いつか全戸配布されている市の広報誌にエンディングノートが特集されることを目標にもしています。
そこで、丸亀市女性議会(※)に参加しました。議場で市の関係課の方や市長がいる場でお話できることはまたとないチャンスでした。議会では、自分の活動やその目標について伝えることができました。
市民活動はボトムアップ的な考えがあると思うのですが、一市民活動者が議会で伝えたことで、トップダウン的に広げていける機会になれば嬉しいです。

※丸亀市人権課主催。誰もが生き生きと幸せに暮らせるまちづくりを目指して、女性の視点から市政に対する意見・疑問を直接発言していただく場として行われる。質問や提案について、市長や関係部長が答える場所。今回は、1月25日に行われ、10名の女性が参加した。


実際に活動者として活動されている今と、市民活動登録する前の市民活動に対して、思いの変化はありましたか?

ふとしたときに、自分の活動は市民活動なのか?と思うことや、終活はとても大事な自助的な取り組みでもしかすると市民や自治体も救っているのかもしれないと思うぐらい大きな気持ちになるときもあります。
でも、本当の意味での市民活動についてはわかりません。自分のやりたい活動をしているうちに「なんか楽しいな」と思いますし、新しい視点を持てるし視野も広がるので、何か思いがある人は、一歩踏み込んでみることをおすすめします。
私の周りでも何人かマルタスで市民活動登録をした方もいらっしゃいます。自分は何者でもないと消極的な人や何からはじめるといいのかわからない人がいるのだったら、私は誘い込んでいきたいなと思います。

マルタスに求めるものは?

市とマルタス、マッチングという意味でもっと交流があれば成り立つこともあるのかもしれないと思うことはあります。
市に相談にいくと人を探していると感じることもありますし、市民活動者の中にも、市に協力したい人もいると思います。ただ、そういった情報を知りうるところが少なくて、終わってしまうことがあるのではないかと感じます。なので、そういった情報があればもっと面白いことができるのかなと思います。
活動者側もいろいろな人とつながりたいという声はよく聞きます。小さな声で活動する活動者の声も拾っていただけると嬉しいです。市民活動者は、つながる力を持っています。それをマルタスでさらにつないでもらえることがあれば、丸亀市のためにももっとよくなると思います。

新たに市民活動を始める方にメッセージをお願いします。

「やったらいいやん!」それだけです。マルタスだったら応援してくれます。
この言葉を言えるようになったのも実は終活が関わっていて、私は、終活を知ったことで突然自分にもしものことがあっても後悔しないような思考になったと思います。
ですので、「もし今、何もしなくて後悔するのと、今何かして失敗しても成功しても、して良かったと思うのとどちらがいい?」そういう意味で、チャレンジする場として『やったらいいやん!』と後押ししたいです。マルタスで!