レポート

Report

「チーズから考える食の未来。」― 食育と食品ロスを考える一日 ―

7月25日(土)、Le Salon de Jaune Tableによる「チーズから考える食の未来【食育と食品ロス】」が開催されました。

このイベントは、丸亀市市民活動ステップアップ補助事業を活用して実施されたものです。

Le Salon de Jaune Tableは、世界や日本のナチュラルチーズを身近に感じてもらうことを目的に活動しています。チーズを通して食文化への理解を深めるとともに、さまざまな地域や文化への関心を広げ、食の多様性を楽しむコミュニティづくりに取り組んでいます。
マルタスでの開催は今回で20回目。節目となる今回は、「食べること」をいつもとは少し違った視点から見つめ直す機会として、食育や食品ロスをテーマに開催されました。また、丸亀市市民活動ステップアップ補助事業を活用することで参加費を抑え、これまで参加したことのない方にも気軽に参加してもらえる機会を設けました。

講師として招かれたのは、赤松牧場の赤松龍さん。「作り手」の視点から見た食の未来につながるお話をしていただきました。



まずはチーズの歴史について学びました。
チーズは、牛乳を長く保存するための工夫から生まれた食品です。その製造や保存の技術には、限りある食材を無駄なく活用する人々の知恵が詰まっています。地域の風土や文化によって多様なチーズが生まれてきたことを知り、参加者は食文化の奥深さに触れていました。



続いて紹介されたのは、赤松牧場の取組です。
牧場では子牛の頃から一頭一頭に名前を付け、大切に育てています。牛が健康に育つよう、餌や飼育環境にも細やかな配慮がなされており、新鮮な空気が循環する適切な環境づくりにも力を入れています。
会場には牛が実際に食べている餌のサンプルも用意され、参加者は香りや手触りを確かめながら、普段なかなか知ることのできない酪農の現場を身近に感じていました。
また、「堆肥は宝」と言う考えのもと、牧場で作られた堆肥を地域の農家へ提供し、その堆肥で牧草や果物が育つという地域循環型農業についても紹介されました。食べ物が生産される背景や、人・自然・地域がつながる循環の仕組みに、参加者は熱心に耳を傾けていました。




講演後は、参加者が楽しみにしていたチーズのテイスティングが実施されました。30年熟成のパルミジャーノや、チョコレートのような見た目が特徴的なブラウンチーズなど、5種類のチーズを味わいました。

赤松牧場では、牛乳を一滴も無駄にしないという思いから、さまざまなチーズづくりに取り組んでいます。その背景を知ったうえで味わうチーズは、参加者にとって特別なものとなったようです。
テイスティングでは、「おいしい」で終わらせるのではなく、見た目や香り、食感、味わいなどを五感で感じ取り、それを言葉にして記録しました。自分が感じたことを言葉にすることで、新たな発見や気づきが生まれます。
さらに、ナッツやオリーブオイル、はちみつなどの副食材と組み合わせることで、チーズの風味が大きく変化することも体験しました。参加者の皆さんは、それぞれの感じ方の違いを楽しみながらチーズを味わいました。





参加者からは、「今日は初めて食べるチーズばかりで衝撃が強かったです」「チーズを通して五感を知る、味覚教育の大切さを知りました」といった声が聞かれました。
主催であるLe Salon de Jaune Tableの葛石さんは、「チーズを通して参加者の方々に『食の背景』を感じてもらい、『命の循環』『食の大切さ』の理解を深めてもらったことに喜びを感じました」と話しました。

チーズを味わうだけでなく、その先にある生産者の思いや地域の循環、食品ロスの課題についても学んだ今回のイベント。食べることの大切さを改めて見つめ直す、学びの多い時間となりました。