レポート

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【Expanding story ~まるがめの市民活動~】おもしろいことを、自己満足で。OMORO!!

マルタスでは、市民活動登録を行う皆さんに、活動に対する思いやこれからのことなどをインタビューしています。皆さんが行う「市民活動」とは何なのか?活動に対する「思い」とは?それぞれの活動のスタート、これまで、そしてこれからをお伺いしています。
ぜひ皆さんの活動や思い、踏み出した一歩をご覧ください。
「OMORO!!」は、森林、里山、島しょ部の自然に関心を寄せてもらえるような面白いと思える屋内イベントを開催することにより、実際の野外活動へのきっかけに、そして、暮らしと密接なつながりのある自然環境の大切さを伝えたいと活動を行っています。

今回は、「OMORO!!」の嶋田さんにお話を伺いました。

嶋田さんが活動を始めたきっかけを教えてください。

私は土地家屋調査士として仕事をしており、農地を宅地に転用したり、店舗や事業所を建てるための開発に携わったりと、土地利用に関わる仕事をしてきました。
一方で、山でアウトドアを楽しむことが好きで、川のせせらぎや鳥のさえずりを聞きながら過ごす時間が、私にとって大きな癒やしになっていました。
そんな時間を重ねるうちに、自分の仕事が自然を切り開くことにつながっているように感じるようになり、ジレンマやモヤモヤを抱えるようになりました。
57歳のとき、香川県森林組合連合会が若手向けに実施している2週間の林業研修を知り、「これだ」と思いました。募集対象は45歳まででしたが、どうしても参加したくて直接お願いをし、特別に受講させていただくことができました。
研修を終えた後は、さらに経験を積むため、本業を続けながら仲南町森林組合でも活動し、竹林の整備や樹木の伐採、植林などに携わりました。
さまざまな経験を重ねる中で、経済活動としてではなく、地域や自然のために取り組むボランティア活動の方が自分には向いていると感じるようになりました。そして、「フォレスターズかがわ」の会員となり、現在の活動につながっています。

嶋田さんは昨年まで「特定非営利活動法人フォレスターズかがわ」、昨年度からは「OMORO!!」として活動されています。活動に至るまでの経緯を教えてください。

「特定非営利活動法人フォレスターズかがわ」は、約20年前に香川県が主催した森林づくりの林業講習を受講した方々が、「学んだ知識を生かして山や里山に関わる活動をしよう」と立ち上げた団体です。
私は当初その団体の存在を知りませんでしたが、6年ほど前にフォレスターズかがわが主催するしいたけの菌打ち体験イベントに参加したことがきっかけで、会員になりました。
現在は、会員の高齢化などを理由に特定非営利活動法人フォレスターズかがわは解散しましたが、任意団体「woodsかがわ」として活動は継続しています。私も人手が必要なときには、お手伝いに行くことがあります。
一方で、自分自身の活動を続けるためには団体登録が必要だったこともあり、新たに「OMORO!!」を立ち上げました。



「OMORO!!」という名前の由来は?

「おもしろい」の「おもろっ!!」ですね。
とにかく、自分がおもしろいと思えることをやりたい。その気持ちをそのまま名前にしました。

旅行もお好きと伺っています。

少し前にも、房総半島から茨城県、栃木県をぐるりと巡ってきました。
中でも印象に残っているのが、廃校を活用した道の駅「保田小学校」です。とても雰囲気が良く、地域の魅力が詰まった場所でした。
もちろん有名な景勝地にも行きますが、人が多く、みんなスマートフォンで写真を撮っているだけの場所には、なんとなくおもしろくなくて(笑)。
それよりも、旅先で人との出会いがあることに感動します。
千葉県では藍染めのワークショップに参加し、活動されている方のお話を聞く機会がありました。その土地は藍染めに適した環境ではないそうですが、「だからこそ、この地域で藍染めを広めたい」と挑戦されている姿勢に、とても心を動かされました。
また以前、御殿場から浜名湖までヒッチハイクをしていた少年を車に乗せたことがあります。道中いろいろな話をして連絡先も交換しましたが、その後しばらく連絡はありませんでした。ところが約1年後、その彼から突然連絡が来たんです。私がおすすめした写真家の本を読んだことや、その後海外へ旅に出たことを教えてくれました。
そんな人とのつながりに、旅の魅力を感じています。

マルタスで開催されるイベントにもいろいろ参加されていますよね。

自分の範疇でおもしろいなと思うことにはなるべくアンテナを張っておきたいと思っています。

活動について教えてください。

現在は、丸亀市本島で放置竹林の整備活動を行っています。イノシシの増加について相談を受けたことがきっかけとなり、2025年5月から整備を始めました。
竹や樹木を伐採し、切った竹はチップ状にしてその土地に敷き詰めています。地面に日光が当たらないようにすることで、新たな竹が生えてくるのを抑える効果があります。1年以上かけて作業を続け、ようやく整備完了の目途が立ってきました。
今後は、この場所をイベントなどが開かれる場所にしたいと思っています。せっかく整備しても、人が入らなくなると、また元の状態に戻ってしまいます。継続的に人が訪れ、活用されることが大切だと考えています。また、将来的には地元の方へ管理を引き継げたら理想ですね。
近くには塩飽勤番所や本島小中学校もあるので、子どもたちにも利用してほしいです。イベントが開催されることで、多くの人に開かれた場所となり、この環境が次の世代へ受け継がれていけばうれしいですね。
とはいえ、「森林を守らなければ」という強い使命感で活動しているわけではありません。あくまでも自分が楽しい、自分がやりたいという気持ちで動いています。誰にでも趣味や夢中になれることがありますよね。僕はたまたま自然が好きで、こうした活動を続けています。


本島竹林整備前


本島竹林整備


本島竹林現在




今後は?

「棍棒飛ばし」ってご存じですか?
山で木を切ると枝などの廃材が出ますよね。その枝を何とか活用できないかと考え、約3年前に奈良県の東さんという方が、木を棍棒状に加工して展示会を開きました。それがSNSで話題になり、その後は展示だけでなく、棍棒を実際に投げて飛距離を競う「棍棒飛ばし大会」が開催されるようになりました。若い人も多く参加する人気イベントになっています。
僕も参加したいと思い、愛媛県のチームに所属して全国大会にも出場しました。
東さんの発想が本当に面白いと思っています。子どもたちが木を切って何かを作るワークショップももちろん素晴らしいですが、普通なら思いつかないようなことをゲームとして成立させ、思い切り遊びに変えてしまう。その発想がとても魅力的でした。
一昨年、まんのう町の森林で体験イベントを開催した際には、愛媛の棍棒チームにも来てもらい、参加者に棍棒飛ばしやゲームを体験してもらいました。その様子を見て、「これは香川でも絶対にやりたい」と強く思いました。
また、丸亀にある5つのそれぞれの島で活動したいと思っています。島には、山も海も里山もあり、非常にコンパクト。
そういう場所に、子どもたちや保護者に来てもらって、漁業や農業、里山整備などができればおもしろい経験ができるのかなと思います。


まんのう町で行われた棍棒飛ばしの様子。棍棒を打って飛ばすのは気分爽快!


まんのう町で。楽しそうな参加者の皆さん


「棍棒飛ばし」について気になる方は下記の「全日本棍棒協会」のInstagramをご覧ください。
全日本棍棒協会Instagram

課題は?

一番の課題は、どうやって人を集めていくかですね。
今は自分がおもしろいと思うことを、自己満足も含めて楽しみながらやっています。でも、本島の竹林整備も、僕が手を引いた途端に元に戻ってしまっては意味がありません。
活動を見てくれる人がいて、「手伝おうか」「何かやってみようかな」と自然に仲間が増えていくことが理想です。次の世代へつながるようなサイクルをどうつくっていくのか。それはこれから考えていかなければならない課題だと思っています。

モチベーションはどこにありますか?

やっぱり自己満足です(笑)。
でも、本島で活動をしていて強く感じるのは、島の皆さんがちゃんと見てくれているということです。ジュースやパンを差し入れてくださったり、「ご苦労さん」と声を掛けてくださったり。
整備で切った竹を畑の支柱として使いたいという方がいたので、「ご自由にお持ちください」と置いておくと、実際に持ち帰って活用してくださる方もいました。
そうやって声を掛けてもらえることで自己肯定感にもつながりますし、「自分がやっていることは無駄ではなかった」と実感できます。

新たに活動を始める人へメッセージをお願いします。

自分がおもしろいと思うことを、とにかく一度やってみることだと思います。
一歩踏み出すとき、人は必ず何かと言い訳をするものです。僕自身もそうですが、「これをやったらどうなるだろう」「失敗したらどうしよう」と、マイナスなことやリスクを先に考えてしまいます。もちろん、何かを始めれば不利益を受けることもあるでしょう。
それでも、自分の中で「これをやりたい」という気持ちがあるなら、やってみた方がいいと思います。
何かを始めたからこそ、こうしてマルタスさんとのつながりもできましたし、新しい出会いやサポートにも恵まれました。やはり、一歩踏み出すことが大切だと思います。
それからもう一つ。ジャパネットたかたの創業者・高田社長の言葉に「ミッション・パッション・アクション」という考え方があります。
何かを成し遂げるには、まず目的(ミッション)があり、それに対する情熱(パッション)があり、そして実際に動く(アクション)ことが必要だという考え方です。
僕はそこへ、もう一つ「イマジネーション(想像力)」を加えたいと思っています。
目的とちゃんとした道筋をつけ、それに対する情熱と行動力、それから将来に向けていくというイマジネーションがあれば何でもできると思いますし、自分自身おもしろがれるかなと思っています。