【Expanding Story~まるがめの市民活動~その後】「ぐんコロなかよしパーク」誕生までの7年の軌跡
| まちのヒト・コト
4月26日、郡家地区に新しい公園「郡家宝幢寺公園(通称:ぐんコロなかよしパーク)」がオープンしました。オープンから間もないにもかかわらず、子どもたちの元気な声が響く地域の新たな憩いの場となっています。
この公園の誕生のきっかけをつくったのが、市民活動者「あしあと寺子屋」の清家さんです。2019年頃に「郡家地区に公園をつくりたい」と声を上げてから約7年。多くの人を巻き込みながら、ようやくその思いが形になりました。
「子どもたちの遊ぶ場所がない」
「子どもたちの遊ぶ場所がない」
清家さんが公園の必要性を感じたのは、自身のお子さんが1歳になる頃でした。
郡家地区には子どもたちが安全に遊べる公園が1つしかなく(くるりん広場で無料スペースはわずかな部分)、周囲を見渡すと、子どもたちがアパートの駐車場の車止めブロックで石飛の要領で遊んだり、道路のコンクリートの上を走り回ったりする姿がありました。
「これでいいのだろうか」
そう感じた清家さんは、まず地域の現状を調べることから始めます。
ちょうどその頃、飯山総合保健福祉センターのイベントで社会福祉協議会の職員に相談したところ、「議員に相談してみてはどうか」と助言を受けました。
議員に話をすると、「一人の力では難しい。地域コミュニティに入って活動してみては」とアドバイスを受けます。
そこから、郡家コミュニティセンターで活動する市民グループ「ええな」に合流していきます。
地域とのつながりを広げながら
祭りで焼きそばを焼いたり、地域イベントを手伝ったりしながら、多くの人と交流を深めていきます。当初は「公園をつくりたい」という思いから参加した活動でしたが、地域の人たちとの時間は居心地が良く、楽しいものだったといいます。
同時に、公園の現状を地図や写真を使って可視化。国道11号線よりも北側には公園がある一方で(高度経済成長の最中で丸亀市に人口が集中していたため子どもの数も多く公園の整備が進んだため)、南側にはほとんどないことをわかりやすく示しました。
資料をまとめて市役所へ持参しましたが、話はなかなか前に進みませんでした。
思うように進まない状況に焦りを感じていた頃、新型コロナウイルスの流行が始まります。
コロナ禍を経て再び動き出す
2020年には地域の祭りが中止となり、活動も制限されました。2021年には感染対策を講じながらの開催となり、その頃には市長も交代していました。
新しい市長の公約には「公園整備」が掲げられていました。
「公約には場所までは書かれていなかった。だったら自分たちが狼煙を上げて、郡家で実現しようと思ったんです」
2021年秋、丸亀市より公園整備の話があり、小学生を対象に「どんな公園にしたいか」というアンケートを実施しました。
最も多かったのは、「ボール遊びができる公園がほしい」という声でした。
アンケート結果をもとに、公園の場所や遊具について具体的な検討が進んでいきます。
そして実現へ
2019年に始まった活動は、ここから一気に具体化していきます。
・2019年 郡家小学校(6年生)を対象にどんなまちになってほしいかのアンケートを実施(公園の要望が多くあり)
・2021年 ええなミーティングで公園整備決定のお知らせ
市へ要望書の提出
・2022年 予算化
・2023年 公園整備の土地決定
・2024年 公園平面図案完成・郡家小学校へアンケートの実施(公園への要望)
・2025年 遊具等の詳細決定・着工
・2026年 郡家小学校全校生徒へネーミング募集・決定
・2026年4月26日 オープン
「公園について考え始めた頃、1歳だった子どもはもう8歳になりました。
私は、この一連の流れの波紋を起こしたに過ぎません。その過程で、表には出ていない多くの「地域のヒーロー」と呼べる方々の姿を見てきました。
コロナ禍においても、コミュニティ会長やええなのメンバーの皆さんが、自発的に地域のための活動を続けていたことを忘れてはならないと思います。
コロナ禍を乗り越えた後も、ええなのメンバーは何度も話し合いを重ね、公園の見学に足を運んだり、アンケートを作成したりしながら、地域のさまざまな声に耳を傾ける努力を続けました。
さまざまな課題を解決していく中で、コミュニティ会長が果たしてきた役割やご尽力の大きさを知りました。数々のご苦労があったにもかかわらず、常に粛々と取り組まれている姿には、深い感動を覚えました。
この一連の取り組みは、「市民活動とは何か」「地域の役割とは何か」を考える大きなきっかけになりました。目には見えない無形の力、そして地域が持つ力は計り知れず、想像を超える大きな原動力になるのだと実感しました。
皆さんを代表する形でインタビューを受けていますが、私自身の力は本当に小さなものです。地域の力はすごいですし、この力は誇りです。
公園は、ただ突然まちにできたものではありません。多くの人が関わり、小学生によるアンケートなども含めると、延べ1,000人ほどの方々が公園づくりに参加してくださったのではないかと思います。
時間はかかりましたが、多くの想いが形となり、公園が完成したことを本当に嬉しく思います」
子どもたちの笑顔
オープン後の公園について尋ねると、清家さんは嬉しそうに話します。
「壁にボールの跡がたくさん付いているんです。それを見た時、『間違っていなかったな』『みんなに届いたな』と思いました」
特に水曜日は学校が早く終わるため、多くの子どもたちで賑わっているそうです。
「子どもたちが本当に待ち望んでくれていたんだなと感じました」
次の目標へ
一方で、公園の利用者が増える中、ごみの問題も見え始めています。
多くはないものの、ごみが落ちていたり、隠されていたりすることがあり、有志によるごみ拾い活動も行われています。
「ごみがあるから捨ててもいい」という悪循環を防ぐためにも、地域みんなで公園をきれいに保っていくことが大切です。
そして、公園完成という大きな目標を達成した今、清家さんは新たな目標に向かっています。
一つ目は、子どもたちが遊べる場所をさらに増やすこと。高架下の有効活用や既存広場の開放などを検討しているそうです。
二つ目は、保育園児向けの運動遊びプログラムづくりです。
子どもたちの体幹の弱さなどの課題に対し、楽しく体を動かしながら成長を促すプログラムを考えています。公立保育園などを訪問しながら実施していく予定です。
さらに、保育士向けの研修会の開催も決まっています。
「自分が動き始めたことで、たくさんの人が話を聞いてくれた。それが大きなエネルギーになりました」
公園づくりを実現した清家さんは、今も次の目標に向かって歩み続けています。その挑戦は、これからも地域に新しい可能性を生み出していきそうです。


