2024年5月19日(日)
郷土にまつわる歴史講座「生活の中の宗教 ~霊魂の現場主義~」
人文・哲学
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セミナー
私たち日本人の宗教とは何でしょうか?この問いに正確に答えることは難しい。例えば宗教に関する意識調査では、全体の約7割強が宗教には無関係、つまり無宗教だと答え、宗教や信仰をもつという人は3割弱に過ぎない。この比率は諸外国の割合のほぼ反対である。何故だろうか?おそらくこの結果には、明治初年に始まる神仏分離以降の不幸な宗教史が大きく影響しているであろう。つまり、現実の宗教制度や宗教教団に対する大きな失望と不信感に起因しているのだ。一方で現実の宗教教団と関わらない、言わば私たちの生活のなかに埋め込まれた宗教、「霊魂観」という面では私たちは独特な特徴をもっている。
霊魂とは、私たちの「心(こころ)」と「身体(からだ)」という場合の心であり、英語ではspirit、仏語ではesprit、独語ではGeist・・・どの民族にもある概念である。「死」によって身体はその機能が停止し、やがては滅びるのだが、心はどうなるのだろうか?簡単に言えば、欧米、キリスト教圏では、真上の天上世界に向かって「ロケット」のように上っていくのに対し、日本は、人は「何処か」で亡くなると、その霊魂はしばらくはその場に留まり、その後正式な火葬を経て「遺骨」に移り、墓に移送されるという独特な「場へのこだわり」が見られる。比較宗教学に基づいてこの問題を考えてみたい。
日付 | 2024年5月19日 |
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時間 | 13時30分~15時 |
場所 | 1階 多目的ホール1・2 |
参加費 | 無料 |
申込方法 | 当日受付 |
対象 | どなたでも |
定員 | 60名 |
持ち物 | 特になし |
主催 | 丸亀市立中央図書館 |
講師/先生 | 白川 琢磨 (福岡大学名誉教授) |
協力 | なし |
問い合わせ先 | 0877-24-8877 |
ホームページ | 丸亀市立中央図書館 |